慢性疲労症候群

基本情報

平成11年に実施した国内の疫学調査によると1/3以上が慢性疲労を自覚しているという結果があります。
慢性疲労症候群の条件を満たす人はそれよりかなり低いですが、米国のでは約250万人の患者がいるといわれています。
好発年齢は40~50代で性別では男性より女性に多くみられます。
原因は今の所、分かっていません。そのため、一般的な治療法はまだ確立されていないのです。

症状

朝起きた時に強い疲労感を感じて仕事や学校に行けない。
6カ月以上、強い疲労感や倦怠感が続いている。
睡眠障害、腹痛、関節痛、筋肉痛などの不定愁訴が現れる。
鬱っぽくなる。

一般的な治療法

痛みや不眠、うつ症状に関してはビタミン剤や鎮痛剤、漢方薬、抗うつ薬を使用した対処療法が行われています。
また、精神面からのアプローチとして認知行動療法を行い前向きな思考になるように精神療法を行う施設もあります。
このような対処療法では治癒率10%と言われています。

当院が考える原因

最近の研究で疲労と乳酸は関係ないことが分かってきました。疲労は2種類あります。

  1. 肉体的疲労
  2. 精神的疲労

まず肉体的疲労ですが、これは例えば、「水泳やサッカーをして疲れた」「山登りの後疲れて足が重い」といった場合です。これらは体の運動により筋肉内のエネルギー源が枯渇、神経筋伝達の遅延などによって、発揮できる筋出力が低下します。筋組織の損傷により2次的に痛み(筋肉痛)を生じる場合がありますが、時間と共に痛みは軽快していきます。

次に精神的疲労です。これは長時間のデスクワークや会議、電話でのクレーム対応など、身体の大きな動きを伴わないのに疲労を感じるケースです。現代社会では多くの方が「分かる」という状況ではないでしょうか。
これらの状況で共通するのは「体が緊張状態を強いられる」ということです。
体が緊張するということは、筋肉も緊張を強いられるということです。

筋肉が緊張状態を続けると、自身で緩めることが出来なくなる場合があります。

つまり「筋緊張による自律神経障害」が根本原因と捉えます。

鍼灸療法

鍼灸での解決方法は「問題になった筋肉の機能を改善させる」という方向性です。
特に頚部には副交感神経の司令塔があります。
副交感神経の働きが上手くいかないと、倦怠感、不眠、うつ症状などが現れます。
治療部位のポイントは後頚部と背骨の脇です。
90%以上の方がこの部位の施術で奏効しています。